2021年8月25日水曜日

ワクチン効果は非常に高い

 ファイザーやモデルナのワクチンは、人類初のmRNA型ワクチンですが、その効果は非常に高いようです。大阪の3/1~8/15までのデータでは、総感染者数85,325人のうち、ワクチン未接種者は83,207人(97.5%)、一回接種から二回接種14日未満は1,801(2.1%)、二回接種14日経過以降は317人(0.4%)です。重症者・死亡者をみると、ワクチン未接種での感染者83,207人のうち重症者は1,984人(2.4%)、死亡者は1,557人(1.9%)であったのに対して、一回接種から二回接種14日未満の感染者1,801人のうち重症者は31人(1.7%)、死亡者は18人(1.0%)です。二回接種14日経過以降の感染者317人では、なんと重症者、死亡者ともに0人です。このデータはデルタ株が本格的に流行する前からのデータが含まれているとは言え、ワクチンの感染抑制効果や重症化抑制効果は明らかです。

 ちなみ、デルタ株にほぼ置き換わった段階の8/10~8/12の全国でのデータを見ると、新規感染者数57,293人のうち、ワクチン未接種者の感染は47,132人(82.3%)、一回接種から二回接種14日未満の感染は2,956人(5.2%)、二回接種14日経過の感染は1,768人(3.0%)、不明者5,437人(9.5%)です。先の大阪のデータと比較すると、ワクチン接種者における感染率が上昇しているのでデルタ株の強さを示すデータとも言えますが、デルタ株に対しても依然としてワクチン効果は大きいことは明らかです。

 このような観点では、国としてワクチン接種者をいかに増やすかが大きな課題と言えます。しかし、ワクチン接種率は、ワクチン接種を拒む人や接種を受けられない人もいるため、60%程度が上げどまりになるとも言われています。また、デルタ株の集団免疫は接種率70%では足りず、80%超が必要との新聞報道(8/11日経新聞第3頁)もあります。即ち、ワクチン接種は大変重要ではあるがワクチン接種だけでコロナ問題を根本的に解決できないことも見えてきており、基本的感染対策の徹底、人流の効果的抑制、ワクチン接種後の抗体価低下時期を狙ったブースター接種(3回目接種)、治療薬の開発と感染初期での活用機会の提供(重症化防止)などの対策も加えながら、コロナと戦っていくことが必要になるのでしょう。特に、感染初期に有効な経口治療薬の開発が望まれます。

なお、国には上記のような実データを国民に示しながら政策を実行していくことが必要ではないでしょうか?