2019年4月4日木曜日

萩原健一さんを偲ぶ

先ごろ、俳優の萩原健一さんがお亡くなりになりました。破天荒な方でもあったようですが、俳優としては大好きな方のおひとりでした。今から35年ほど前、私が大学生であった時、某テレビ局で放映された「君は海を見たか」(倉本聰さん脚本)での演技は印象が深ったです。海中水族館の設計技師で仕事人間であった父の役。ある日突然、小学生の息子が不治の病になり、余命宣告されてしまう。そんな息子が学校で海の絵を描くも、一面真っ黒な絵。そのことから今まで仕事一途で、息子とのふれあいも無く、青い海さえも見せていなかった自分に強烈にショックする。それ以降、息子の延命のために、民間療法なども探し方々めぐり歩き、仕事を二の次に必死に奮闘する。そんなある日、毎日乗っていた通勤電車の中から車窓の外を見るとそこには初めて見る風景が広がる。車窓の風景さえも見る余裕がなく働いていた自分にも気付く。余命がない息子のために家を建てることを計画すると、息子がヨットのキャビンのような勉強部屋を望む。その時はなぜかわからなかったが、若いときに既になくなっていた妻と撮ったヨット内での写真を息子が見ていたことを後で知り、一人心を打たれる。そんな印象的な場面がたくさんあったドラマでした。ドラマの最終回にはテロップで、谷川俊太郎さんの「生きる」という詩が流れる。「今生きているということ、それはのどが渇くということ、木もれ陽がまぶしいということ・・・」と。人生で何が大切かを考えさせられた本で、私が今でも人生のバイブルにしている本です。

2019年4月2日火曜日

新元号!

新しい元号が昨日発表されました。
「令和」。
清々した音の響きがこの季節に合っています。万葉集が典拠になっており、「初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす」の一節から引用されたとのことです。何か・・・当所名称の「薫風」に通ずるものを感じ、親しみを感じました。
大きな戦争と戦後の高度成長を経験した激動の「昭和」、平和や安定を求めたが災害の多かった「平成」を経て、再び「和」が入った「令和」の時代には、改めて平和の尊さを思いながら生きることが求められているような気がします。大きな災害がないことも切に願わざるを得ません。
経済成長を基礎に国の形を作ってきた日本、「令和」の時代はそのターニングポイントになり、日本の新しい国の形が見えてくる時代になるのかもしれません。