2021年8月2日月曜日

新型コロナ政策に欠けること

 新型コロナ対策として政府から発令される非常事態宣言その他の政策に欠けるていることは大きく3点あると、個人的には考えています。一つ目は、科学的データに基づいた政策の根拠や合理性についての説明が不足していること。例えば、飲食店に対する営業自粛、時間短縮、お酒の提供の禁止がなぜ有効な政策と言えるのかについての説明が不足しています。これらの政策は、観念的には人流を抑制する手段になり得ることはわかるのですが、より科学的データに基づいて根拠を明確にすべきでしょう。二つ目は、人間行動学的視点が欠如していること。感染症予防や経済学的視点に加え、どのような政策を打つと人々においてどのような反作用的行動が生じるのか、という視点が全く欠如していると思います。例えば、ある特定の地域でお酒を提供をできなくすれば、交通移動が簡単な隣接する地域にお酒をのみに行くという人間の行動は容易に予測できます。また、オリンピック開催は「緩んでよいですよ」というメッセージを人の心理に発信してしまうと思いますので、「オリンピック開催」と「緩るませない手段」はセットで行われるべきであったと思います。政府分科会メンバーに人間行動学の専門家をぜひ入れていただきたいと思います。三つ目は、首相の発信力が弱いこと。官房長官時代と変わらぬ当たり障りのないスポークスマン的説明にとどまっており、言葉や表情に力強さがありません。これでは、国民に緊張感や切迫感が伝わりません。